禁断の初夜を迎えた妹は、お兄ちゃんに溺れていく
「…まだ間に合うよ。
やめるなら今だって」
お兄ちゃんがそう言ったのに、私は首を横に振った。
「違うの。
やめたいんじゃない…ずっと、お兄ちゃんを求めてたの」
震える声で返す私に、お兄ちゃんは目を伏せた。
「ダメなんだって分かってるだろ。
俺たちがこうなるのは」
「分かってる。
でも…お兄ちゃんじゃないと、もう無理なの」
沈黙が落ちる。
外の世界が消えたように、ふたりの呼吸だけが重なっていく。
「……本当に後悔しない?」
「お兄ちゃんが触れてくれるなら、何も怖くない」
その言葉に、お兄ちゃんの理性がゆっくり崩れた。
私の頬に触れた指先が熱くて、息を呑む。
「そんな顔で見られたら…もう止まれない」
「止まらなくていいよ。
ずっと、お兄ちゃんが欲しかった」
首に触れたキスは、背徳の始まりだった。
触れるたびに、ふたりは‘越えてはいけない境界’を
静かに踏み越えていく。
「…お前のこと、ずっと我慢してた」
「だったら、今全部ちょうだい…私も隠したくない」
初めて重なった夜、罪悪感よりも甘い熱が勝ってしまった。
そして私は悟る。
――もう戻れない。
戻りたくもない。
「ねぇ…壊れても、お兄ちゃんとだったらいい」
「だったら、一緒に堕ちようか。
もう離さない」
背徳の初夜に溺れた瞬間から、
ふたりは互い以外を選べない関係へ静かに落ちていくのだった。
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