名前:斎藤彩音（32歳）
職業:給食調理員
「今日はカレーを作りました。
残さず食べてくださいね。」
汗ばんだ白衣に、油性ペンで書かれた
‘AYANE’
の文字がにじむゴムエプロン。
無機質な調理場の中、彼女は淡々と、しかし丁寧に業務をこなしていく──。

本作は、給食調理という舞台に立つ一人の女性の姿を、白衣・作業・汚れ・手元の所作まで繊細に記録したドキュメンタリータッチの写真集です。

清潔が求められる職場において、白のエプロンにこびりつくカレーの跳ね。
床掃除の後に濡れた膝。
無言で皿を洗い続けるグローブの艶。

そうした‘日常の痕跡’が、むしろ彼女の存在を際立たせます。

32歳。
経験を重ねた調理員としての誇りと、制服の隙間に滲む生活感。

ただの作業服が、フェティッシュな視線を誘うのは、‘真剣に働く姿’が放つ美しさゆえ。

働く女性のリアルな息遣いと、ユニフォームが持つ静かな色気──
その交差点に立つ、斎藤彩音という存在を、240枚の記録に収めました。