バック中毒女子だけが迷い込むイ空間
目が覚めると、そこは見たこともない部屋だった。
どこか無機質で、けれどベッドだけはやたらに柔らかく、身体を沈めるたびに下腹部が疼くような錯覚を覚える。
「ここ……どこ?」そうつぶやくと、部屋のドアが静かに開いた。
「新入りね?
ようこそ、’バックしか愛せない女の子たち’の世界へ」
そう言って現れたのは、まるでモデルのように整った顔立ちの女の子。
だけど、その表情はどこか…淫靡だった。
真っ白なワンピースの裾をひらひら揺らしながら、彼女は笑う。
「ここではね、前は‘使っちゃダメ’なの。
おしりしか、許されてないの」
意味がわからない。
だけど心の奥、何かがざわめく。
なぜだか、そんなルールに、少しだけ興奮している自分がいた。
―
最初は戸惑った。
でもこの世界の女の子たちは、みんな当たり前のように‘後ろ’で愛されている。
細い腰をくねらせ、柔らかな吐息を漏らしながら、奥を貫かれて悦んでいる。
誰もがそれを恥じることなく、むしろ誇らしげに、おしりを差し出している。
「ほら、こうやって開いて──あぁ…すごい、入ってくる…!」
「前なんて知らない。
でも…奥まで届いてる…イッちゃう…(ハート)」
見るたびに、下腹部が熱くなる。
そして、次第に彼女たちと同じように、私の心も、身体も、後ろでしか満たされないようになっていった。
―
ある夜、リビングのソファで3人の女の子が集まっていた。
誰かの背中にぴったりと重なるように、腰を押し付け合って。
そこに優しく当てられるぬくもりが、心地よくてたまらない。
「ねぇ、こっちのほうが気持ちいいでしょ?」
「うん……ねぇ、もう、奥…きてる……(ハート)」
尻同士をすり合わせるように、熱く絡み合いながら、声を押し殺して喘ぐ。
キスすらも、おしり越し。
快感の中心は、もう完全に‘後ろ’にあった。
前なんて、忘れてしまった。
―
この世界では、女の子同士でおしりを舐め合うことも、スパンキングで快楽を高め合うことも日常茶飯事。
お風呂では泡だらけの背中を撫で回しながら、指先で奥を刺激し、キッチンではエプロン姿のまま、後ろからそっと押し倒される。
どんなシーンでも、’おしり’が中心。
バックで愛されることが、この異空間のルールであり、至福なのだ。
―
私はもう、前を知らない。
知らなくていい。
だって、ここには愛がある。
おしりだけの、特別な愛が。
今夜もまた、おしりが疼く。
触れてほしい。
深く、奥まで。
バック中毒の女の子たちだけが迷い込むこの世界で、
私も、完全に――堕ちた。
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