「あなたを遣わすのは
狼の群れに...」
落ちのびた森で出会った
耳の聞こえぬ羊飼いの少女
いびつにかたどられた
慈悲の街
ケセド
聞こえてくる
人食いオオカミと亡霊のうわさ
人々は日々を生き
日々
死んでいった
西暦1500年
2月
聖エリザベス祭の夜
二人が出会った
雨の静寂のなか
世界は
ゆるやかに
狂いだす――
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舞台は西暦1500年
中世ヨーロッパ
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コロンブスによる大陸発見、ルターによる宗教改革
世界が、新時代の幕開けに歓喜していたころ
歴史の裏側では、原始的な悪夢が繰