放課後スパッツ(単話)
好きになった人の趣味に合わせる分りやすい性格の結花は、いつもひとり静かに読書する先輩男子にひと目惚れしたようで、「じぃ〜〜〜」とネットリしたストーカー的観察のすえ、彼女無しと判断したのち勢い良く告白を敢行!
その唐突感の拭えない玉砕アタックに、我れながら赤面を隠せない結花だが、先輩の「いいよ」の言葉に大願成就…と思いきや、意中の男子のその口から発せられた、「ただし、僕にふさわしい女ならね」の無遠慮な言葉に悶絶。
さらに先輩は無慈悲にも「明日、その制服の下に付けてきた下着次第で考えよう」と二の矢を放ち、難題を突きつけられた結花は、その場で硬直するしかなかった。
そして翌日、思案しすぎて寝不足のまま登校した結花は、覚悟を決めつつも未だ「エロすぎない、ちょっぴりセクシー、でも色の好みが…」と、ゴニョゴニョと逡巡を繰り返しつつ、やがて難題の主である先輩と対峙する。
結花は「ばっ」と自らのスカートをめくり、情熱の赤を基調にした、いわゆる勝負下着を披露するが、果たして彼女に待ち受けていたのは、先輩の打ち抜くような鉄拳制裁。
もうなにがなんだか訳が分らない結花であったが、そんな彼女に先輩は、部活は運動部であることを確認すると、上からの目線で、こう言い放つ。「なら、なぜスパッツを履いてこない!!」と。
今どきスパッツなど持っていないと訴える結花だが、先輩の趣味が分っただけでも一歩前進で、その後、二人は一休さんのトンチ合戦のような問答のすえ、結花は見事、先輩の目の前でスパッツを履くに至るのであった。
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